ラフ・アンド・ピースプロジェクト(過去のアーカイブより)



ラフ・アンド・ピース マニフェスト2001年の『広告』より。)

20世紀は、目覚ましい進歩に彩られた輝かしい時代でした。が、その一方では、極端なまでに深刻な代償を払った時代でもありました。矛盾と悲惨に満ちた世紀といっても良いかも知れません。絶え間なく戦争が行われ・・・至るところで環境が破壊され・・・あらゆるものが汚染され・・・不平等が蔓延し・・・誰もが心を病み・・・虐殺や自殺・殺人なんて日常茶飯事・・・あらゆるメディアがプロパガンダを行って人を洗脳し・・・地球上にあまねく配備された核兵器を合わせると、この惑星の全てを100回以上も破壊することができる。すべての子どもたちの未来も暗い影で覆われています。

そんな状況に呼応して。平和を求める幾多の試みが繰り広げられてきました。中でも最も影響が大きかったのは、ラブ&ピースでした。争ってなんかいないで、さあ愛し合おう、というやつです。美しい考え方です。しかし、ラブ&ピースは失敗に終わってしまいました。どうしてでしょうか?その理由は、「LOVEは盲目」というシェイクスピアの言葉の中に隠されています。問題を解決する時に必要なのは、問題の本質を見極めるために客観性を保つことです。事実から目をそらさずに直視することが必須なのです。しかし、ラヴは、あなたの客観性を高めることに対して、何の役にも立ちません。それどころか、ラブは、あなたの心の中の忠誠心を高めます。恋人に対する忠誠心とか、会社に対する忠誠心とか、国家に対する忠誠心とか、さらには時と場合によると独裁者に対する忠誠心などさえも高めてしまいます。ラブで世界を変えることができるかも知れません。しかし、ラブとともに戦争に荷担してしまう可能性もあるのです。ラヴは、世界を変える適切なツールではありません。ラブ&ピースには懐かしい響きと罪のないイメージがあります。

が、しかし、それは間違っていたのです。私たちの新しい文化的な革命は、ラフ&ピースと呼ばれるものです。ラブ&ピースをもじった単なる駄洒落ではありません。私たちは、このラフこそがラブに代わって世界を平和に変える完全なツールとなる可能性を確信しています。ラフは20世紀に端を発する問題を治癒する万能の漢方薬のようなものです。ラフによって、人々は近代の紋切り型を見破れる客観性を身につけます。この効能によって、ラフは、戦争や洗脳、環境破壊、殺意、汚染、精神異常、プロパガンダ、不平等などなどに“効く”のです。(ラフは免疫力を高めるのにも良いことが医学的に証明されています。)最も重要なことは、“ラフが真実に基づいている”ということです。私たちのラフをテーマにした作品は20世紀の矛盾についての隠された真実を暴き、それを解決する方法を示します。それが私たちの使命なのです。意識の高い人たちが増えれば、世界はより平和になる。私たちは、これだけを信じ&望んでいます。本当にこれだけ?そうそう、偉大なる北朝鮮の独裁政権が永遠に続いてくれることを信じ&望む以外は(笑

)・・・たった一つ、私たちはLAUGH & PEACEを信じています。LAUGH & PEACE PROJECT は、LAUGH によって世界をデザインすることがモットーのフューチャー・ソーシャル・デザイン・ユニットです。

カラスを平和のシンボルに!
マニフェストのところで、LOVE&PEACEが誤りだったと書きましたが、もう一つ、「ハト=平和のシンボル」という紋切型も大きな間違いでした。「ハト」と「平和のシンボル」は、よく考えてみれば、まったくの無関係。いまだに様々なセレモニーで、世界平和を祈念してハトが放たれますが、戦争抑止には何の関係もなかったことは言うまでもありません。LOVE&PEACEと同じように、ハトの持つイメージは私たちの問題を解決する助けとはなりませんでした。
LAUGH&PEACEプロジェクトでは、新しい平和のシンボルとして東京のカラスを推薦してみます。
82頁のLAUGH&PEACE LOGOは、東京のカラスを平和のシンボルとして扱ったLAUGH ARTです。カラスが平和のシンボルに相応しい理由は、人間とともに大都会・東京の生態系の頂点に君臨するカラスが、現代の重要問題多数を体現しているからです。
例えば、今日のようにカラスが都会に住むようになった背景には、もともとカラスが住んでいた山里の環境の変化があり、人間と張り合うほど強靭な肉体&頭脳を持つまでに進化したカラスが東京に一大帝国を築くようになったのは、栄養豊かな残飯を天文学的なボリュームで廃業する大量生産・大量消費時代の私たちのライフスタイルと密接に関わっているのです。だからカラスをじっと見れば、「環境破壊」「高度消費社会」「ゴミ問題」「資本主義経済の矛盾」「家族の崩壊」など私たちの問題に気づかされるはずです。実際、ファースト・フードやコンビニの残飯をあさるカラスの存在は、家庭から食卓の団らんが消えたことと関係しています。また自分ではフタを開けることのできないゴミ箱の残飯を食べるためにホームレスの人と行動を共にするカラスは、現在の日本のイビツな不況と関係しています。さらに想像力をたくましくしてみれば、「南北問題」「エネルギー問題」「民族紛争」なども見えてくるでしょう。カラスの顔を見れば見るほど、私たち自身の問題が、よりクリアに客観的に見えてくるのです。世界を変えることは、カラスを知ることから始まるのかも知れません。
カラスと人間の”超”共生社会を目指して!

カラスメイトの西原麻知子さんは、飼っている足の悪いハトのポーちゃんと近所の公園で散歩するうちに、3匹の野生のカラスと仲良くなりました。その経験を通して、ゴミをあさり街を汚し人やペットを襲うという悪いイメージのあるカラスが、実は、高度なコミュニケーションが可能な鳥であることを知ったそうです。

「まず、カラスには、人間を見抜く優れた洞察力があると思います。下心があると遊んでくれない。例えば写真を撮りたいとか・・・。基本は頭をカラにして、自分の心を開放し、目と目があったら、あのニコちゃんマークのようあ顔をするとOKです。これは笑顔の練習になります。不思議なことに何度か遊んでいると、カラスがいっぱいとまっている木の下に行ったりした時でも、たくさんのカラスが、わたしの頭に糞が落ちないよう移動してくれたりするんです。食べ物をあげるあげないは関係ありません。細い木の枝を口にくわえて近くに来ると、綱引きをして遊んでくれます。たかがカラスと言う人がいるかも知れませんが、対等な気持ちで純粋にゲームを楽しまないと、すぐに感づいてどこかに飛んでいってしまいます・・・。これが本当のコミュニケーションなのかな。思うと胸にズシンときます・・・」

カラスに対してオープンな気持ちさえ表わせば、コミュニケーションは可能のようです。そんな、メディアが伝えるのとは異なるカラス像は、むしろ人間よりも信頼に足る存在のように聞こえます。「カラス問題が深刻になっている。だからといって、捕獲して殺すみたいな手荒な手段だけが対策ではないと思います。それにカラス・パイにすればいいなんて言ってるアホな政治家もいるし・・・。わたしは、カラス対策の一つとして、コミュニケーションもあると思います」と、西原さん。細い木の枝の綱引き以外にも、いろいろな遊びを開発中なのだという。

「次の号では、読者のみなさまの参考にもなるように、写真付きで遊びについて解説できるかも知れません。カラスって本当に賢いから、仲良くなったら番犬ならぬ番ガラスになって留守中の家を空き巣から守ってくれたり、強盗を撃退してくれたりしたらエエなあ・・・。また人間も動物だということを改めて思い出すことは、この社会に生きているうえで大切なことだと思います。すぐれた直感力や洞察力、それに本当のコミュニケーションを取るためのヒントとして、野生のカラスは実は、いい教材なのかもしれませんよ・・・」

ある地域の住民とカラスが西原さんの語るように親密なコミュニケーションをとり、共通の利害に対して一致団結。理想的な共生を成し遂げたとしたら、それは、かつてないソーシャル・デザインの前例となるに違いありません。LAUGH&PEACE PROJECTは、今後、東京を中心としたカラス害に悩まされる大都会における人間とカラスの”超”共生ノウハウを模索します。